ピンク、白、緑…と、目にも鮮やかな三色団子。お花見の席で見かけることも少なくなってきましたが、かわいらしいこのお団子、誕生したのは今から400年以上も前、安土桃山時代でした。その歴史を辿ると、お花見で三色団子を食べたくなるかもしれませんよ。
三色団子のはじまり
豊臣秀吉が天下を取っていた、安土桃山時代。1598(慶長3)年に秀吉の命で『醍醐の花見』が開催されました。
京都の醍醐寺にて、王室や側室、武将や一族など、総勢1300人以上を招待されて開かれたこのお花見。数ヶ月かけて700本もの桜が植樹され、女性は2回以上お色直しを行ったと言われています。この会こそが、お花見で飲食をするようになった始まりです。さすがは派手好きな秀吉、やることが違いますね。
そして、そのお花見にて考案されたのが「三色団子」という説があります。団子好きの秀吉が、当時の定番だった“白い団子に醤油をかけたもの”より、もっと女性も楽しめるような、かわいらしくて甘いお団子を!と考え、誕生しました。
三色に込められた意味
色に込められた意味には諸説あるようですが、季節を表している、という説もあります。
・ピンク・・・桜の咲く春
・白・・・雪の降る冬
・緑・・・新緑が生い茂る夏
ちなみに秋がないようですが、「秋がない」=「飽きない」と「商い」を掛け合わせ、“いくら食べても飽きない、商売繁盛”を願った団子屋さんのユーモアが込められていたと言われています。
他にも、三色は全て“春”を表しているという説もあります。
・ピンク・・・桜
・白・・・白酒(お祝いの席で飲まれる酒)
・緑・・・よもぎ
いずれも日本の美しい季節を感じさせる説ですね。
三色の順番
“三色団子の由来”と“三色の意味”を見てきましたが、実際どの順番で刺さっていたか、即座に思い出せない方もいるのでは?
順番の正解は、ピンク、白、緑です!
覚え方のコツとして、“桜が咲く順番”を想像するとよいでしょう。ピンクは“桜のつぼみ”、白は“満開を迎えた桜”、そして緑は“散った後の葉桜”です。桜の木の下で桜に見立てたお団子を食べるなんて、とても素敵ですね。
“三色の順番”のもうひとつの説として、“大地”を表わしているというものがあります。
ピンクは“空に登る太陽”、白は“地面に少し残る雪”、緑は“残雪の下に芽吹く新緑”。こちらもとても風情ある、春を感じさせる説です。
桜咲く春に生まれた三色団子。豊臣秀吉により発案され、かわいらしいその色にはそれぞれ意味があるとは…和菓子の世界も奥深いものがありますね。
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